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私の絵には、写真やフィギュアなどの様々なモチーフが登場するが、それらは「見立て」の中で、次元を超えて人や風景といった現実的な質感をもった存在になる。次第に見立ては見立てに過ぎないことが暴かれ、現実は破壊され虚構として立ち現れる。しかし、その虚構はふとした瞬間に再び現実になったり、また虚構になったりと常に流動的に絵の中で揺れ動いている。
その虚実の価値の不確かさが、絵の中にわずかな違和感を生じさせることで、私は自分の記憶や無意識の中に存在する見覚えのある景色、あるいはこの世界のどこかに浮遊している未知の景色を発見することができるのである。
木原健志郎
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