「はじまれり」
〈ARTDYNE・東京〉2022/1/8-1/23
参加作家:藤本純輝 大澤巴瑠 木原健志郎 新井浩太
支持体である布を重ねたり剥き出したりという物質的側面からのアプローチと、モチーフの持つ固有の性質とを慎重に絡み合わせ新しい「絵画」を創造する藤本純輝。コピー機を使用し「複製」という行為が生み出すズレを通して「不可能性」や「不完全性」を作品に仮託し、可視化したモノを表現する大澤巴瑠。子供のころから親しんだおもちゃやフィギュアに着目し、純粋さと残酷さを同時に内包するそれに自分自身を投影し描き続ける木原健志郎。FRPを使ったポップにも見える人物制作からセラミックまで、時間を想起させる柔らかく親密な表現を獲得した新井浩太。この4名のグループ展を、ARTDYNEは2022年最初の展示といたします。
否応なく日常生活に侵入してくる昨今の災害や疫病、争い。彼らの世代は生まれたときから過多になりがちな情報の選択を迫られてきました。逃れられない情報の波の中で彼らは、自身が信じられる「何か」を探して日々制作を続けています。彼らの作品はうつろいやすい人心を越えた先に在る、永く変わらないある種の価値観や独特の感覚を思い起こさせてくれます。それは新しくも懐かしい、普段は気が付かない、しかし本当に大切な「何か」なのです。
2022年最初の企画展「はじまれり」。4人が模索するそれぞれの表現をこの機会に是非ともご高覧頂き、ご感想をいただければ幸いです。